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2003/09

09/25

Can you ask me a favour?

局所的自己同一性危機

僕のアイデンティティとはいったい何なのか?

この答えに悩むのは、実はかなり馬鹿らしいことではあります。なぜなら、個人のアイデンティティとは完全に外的要因によって決定されるものではなく、ほとんどの場合かなりの部分を本人の意思で形成することができるものだからです。つまり、この問いは通常、結局別のものと置き換えることができます。

僕の望む僕のアイデンティティとはいったい何なのか?

しかし、この問いに答えることはできても、最初の問いには答えられないことがあります。それは、自ら希望するアイデンティティを実現することが何らかの事情で不可能、あるいはきわめて困難である場合です。

実際には、これはかなり稀なケースだと思われます。というのも、実現不可能な事態に陥ることが容易に想像される選択肢は普通無意識下で排除されてしまい、最終的には実現可能性が少なからず存在するものしか残らないと考えられるからです。そして、その実現可能性があまりに大きく変動してしまうような状況の変化が短期間に起こることは、それほど多くありません。しかもほとんどの場合、アイデンティティにわずかな変更を加えることで状況の変化に対応できます。

では、その稀なケースが実際に起こるのはどういう条件が揃ったときでしょうか? それは当然、実現可能性の見積もりを誤った、あるいは短期間での実現可能性の変動に適応できなかった、のいずれかが満たされたときです。つまり、現実に受け入れられる、もしくは実現可能なアイデンティティと、自分が望むアイデンティティとの差があまりに大きくなりすぎて対応できなくなり、立ち往生している状態です。このとき、最初の問いは、より正確には下のような形になります。

僕の望む実現可能な僕のアイデンティティとはいったい何なのか?

さて、今の僕はまさにこの問題に直面しています。元来の視野の狭さに加え、外国が好きではなかったことも影響したのでしょう、基本的アイデンティティを形成した中学・高校時代に海外で生活することを想定するのは割に合いませんでした。さらに渡英が決定した後も、いつも通りのつまらない意地からか単なる怠惰からかは分かりかねますが、とにかく積極的な適応を放棄してしまったため、ほとんど準備ができていないままこちらでの生活が始まりました。したがって、このケースにがっちりと合致します。

実は、この問いは東京で暮らし始めたときにも向き合わなければならなかったことです。中学・高校時代の環境があまりに(良い意味で)異常だったため、恐れ多くもその中で独自性を出そうともがいた結果、出来上がった僕のアイデンティティは相当に異常なものになりました。それ自体は嘆くことではありませんが、あまりにも特殊な環境を前提としてしまったために、そのアイデンティティがそれ以外の環境では意味を持たないという弱みがあります。それは、比較的中学・高校の環境に近いはずの東京での大学生活でも同じことでした。もっとも、それでも似ていた環境に助けられたのと、別の適応に忙しかったということなどから、結局この問題はうやむやのまま東京を一時離れることになったのですが。

しかし、今回は事情が違います。東京とは違い、中学・高校の環境との共通点を見出すのはとても難しいと言わざるを得ません。そしてなにより、僕のアイデンティティが言語の操作性に大きく依存しているため、不自由な言語を使って意思疎通を図る場面では、同様の方法で有意な特徴を生み出すことはほとんど不可能なのです。

もちろん、最初に書いた通り、僕の希望をとりあえず無視さえすれば、うまく適応することはおそらく可能です。しかし、僕はそれを全く望んでいません。

僕の望む実現可能な僕のアイデンティティとはいったい何なのか?

はたして、僕は適当な妥協点を見つけ出すことができるでしょうか。あるいは、再びうやむやなまま立ち去ってしまうことになるのでしょうか。

09/23

マシター。

teratti の英国奮闘記 21

日本から届いた荷物の梱包に使ってあったチラシに踊る「優勝セール」の文字から一足遅れてその空気をほのかに実感しているこの頃ですが、そんな暖かさは問題にならないほど寒いです。寒い。考えてみると、僕は大阪以北の冬を体験したことがないのでした。うきゃー。あと 1 週間は「まだ 9 月やんな?」をあいことばにがんばろうとおもいます。まるまるまる。

さて、今日から the University of Edinburgh の International Office が留学生のために用意してくださる International Cafe が開くことになっていましたので、顔を出してきました。初日なので人は多くありませんでしたが、いくらかの人とほんの少しお話できました。というかお話できませんでした。英語しゃべれませんからね。

ある postgraduate の人が出身のことをお話になっているときは、出身国の名前がどう聞いても「バファリン」(もしくはバハリン)に聞こえて、かなり戸惑いましたですよ。うわーん地理選択の恥だーと思いながら後で綴りを教えてもらったら、なんのことはない、バーレーン(Bahrain)のことでしたけど。辞書に書いてある発音はバーレーンなんだけどなぁ……。でもその場に居たほかの人は分かってたみたいだし。うーむ難しい。

今日は早くに Cafe が閉まったので、あとは Royal Museum と National Museum of Scotland (両方繋がってます)をぱらぱらと歩き回っておりました。初めて行ったのですが、National Museum of Scotland の Roof Terrace は結構いいですね。簡単に行ける割に、なかなかの眺めでした。むはー。

あ、バーレーンって旧英国保護領だ。

09/21

実力練成テキスト。

teratti の英国奮闘記 20

今日は天気があまりよろしくなかったのですが、電車で Glasgow へ行ってきました。Glasgow は Edinburgh を凌いで Scotland で最も人口が多く、全英でも 2 番目に大きな都市です。River of Clyde の岸とはいえ案外内陸に位置するので、Stirling からだと Edinburgh よりも近かったりします。

それほど時間に余裕があるわけでもなかったので、たくさんの場所を訪れることはしませんでした。ガイドブックの地図が間違っていて少し困ったりもしましたが、Willow's Tea Room でお茶を飲んでから Glasgow Cathedral と Metropolitan Cathedral Church of St Andrew を霧雨の中、徒歩で回りました。

Willow's Tea Room は、Glasgow が世界に誇る建築家(デザイナーと言ったほうが適切なのかもしれませんが) Mackintosh の意匠が売りなのですが、それはまあまあといったところ。僕には良く分からない世界のようです。ただ、値段設定が異常ではないのは良心的でしょう。今日は時間帯が中途半端だったのでパスしましたが、Afternoon Tea £8.95 あたりが狙い目かもしれません。あと、僕たちが今日行ったのは本店の 2 階部分 the Gallery だったのですが、後で気づいてみると 3 階にも部屋があり、そちらのほうが彼らしさ満開の内装だったようです。De Luxe という名前だったかな? それがお目当てならそちらの方が良いかも。ちなみに 1 階は宝石屋さんですので、うっかりすると前を通っても見逃しかねません。ご注意。

あとは Cathedral を 2 つ訪れたわけですが、前者の印象が圧倒的に強かったです。まあ、後者はあまり見られなかったというのもあるんですけど。Glasgow Cathedral はもちろん大きなものでしたが、今までに見た教会の中でも珍しくかなり複雑な立体構造を持っており、ずいぶん楽しめました。展示も充実していて、時間があればぜひもう一度訪れたい場所です。別に僕はキリスト教信者ではありませんが、巨大な教会の中ではある種の荘厳さに圧倒されることがよくあります。これはたぶん、その信心深さそのものというよりも、その結果としてこの立派で精緻な建造物が生まれ、今の今まで存在し続けてきたという事実の裏にある人間性に惹かれるからなのだと思います。

Glasgow 全体としては、雨の日曜日ということで条件が悪かったのは事実ですが、あまりいい印象はありませんねえ。川岸の景色などは日本の都市に近いところがあって親近感もあるのですけど、やはり落ち目な工業都市なんだなあ、と感じるところも少なくありませんでした。Edinburgh と比べると、ダークな部分が表面にずいぶん出てきていると思います。暗い部分が多く目に付きますし、ごみは多いし、においも気になります。怪しげな路地に怪しげな人も多いですしね。

で、着いて information に行ってから気づいたのですが、昨日と今日が Glasgow の Doors Open Days だった模様。しまったー。

09/20

前に進むときは前に進めばいい。そこで問題になるのは――。

teratti の英国奮闘記 19

Sainsbury から帰るバスの中。ごく稀にしか走っていない路線の土曜日の夕方は、初めはもうひとりいた客もいなくなり、僕と父親、そして運転手が乗っているだけだった。

その運転手が誰もいない停留所でバスを停め、僕たちに声をかけてきたのは、City Centre にさしかかってまもなく賑やかな通りに入ろうかというときだった。ふつうの English さえ満足に聞き取れない僕と父親はそれが Scottish なのかどうかも分からなかったけれど、とにかく「少し待っていてくれ」と言う意味なのは理解した。

彼は手早く運転席側のドアを開けて道路に降り立ったが、そのとき手に持っていたのはバスの料金箱だった。売上金を銀行に預けでもするのだろうか、と僕たちは話し合ったが、銀行の支店はその辺りには無かった。彼は近くのとある店に入った。外から見る限りでは、その辺りによくあるような、いくらかの軽食を扱っている店に見えた。

1 分ほど経って、彼はその店から出てきた。彼の左手には、先ほどと同じく料金箱があった――が、いくぶん軽くなっていたかもしれない。彼のもう片方の手には、白い包み――それも、明らかに口に入れるためのもの――があった。

彼は再び手早くドアを開けて運転席に腰を下ろし、硬貨が詰まったその料金箱を、がちゃんと大きな音を立ててもとの場所に戻した。そして意味ありげな笑みをガラス越しに僕たちへ投げかけた後、上機嫌そうに一度その大きな体を揺すってから、エンジンを点けた。

もちろん、座席には口が動かない日本人が二人いるだけだった。

09/17

「ち、違っ……」

そう言いかけた所で、何かにはっと気づいたらしく彼女は口ごもった。そしてしばし目を泳がせた後、彼女は僕の目をまっすぐに見据えてこう言ったのだった。

「ちゃうねん」

teratti の英国奮闘記 18

こちらには Doors Open Day(s) というものがありまして。その日が来ましたならば、およそすべての家という家々がおよそすべての扉を開け放ち、来客が自由に家の中を見られるように整えるのであります。我々のような新参者にとって、御近所の生活を知る機会はそうそうあるものではございません。ワンダフル。素晴らしい。

嘘です。

ごめんなさいごめんなさい。いや、完全に嘘でもないと言えばないんですが中途半端な嘘は身を滅ぼすと昔の人は言ったとか言わなかったとか。むきー。

話題変更。

こちらに来てからというわけではありませんが、頭で考えたことを口に出したり文字に起こすことが面倒に感じるようになってきました。アイデアはあってもコードを書くのが面倒だから最近は何もしていない、と某プログラマさんが言っていたのを聞いたときにはいまいち実感できませんでしたが、今ならその意味が良く分かります。いや、それから生じるだろうマイナス面も分かってはいるんですが、それを書くことすら……。

ぐは。

09/15

遠くでたくさんの人が涙を流していた。

阪神タイガース セ・リーグ優勝

ばんざいっっっ!

09/12

要するにだなぁ、……いや、止めておこう。

teratti の英国奮闘記 17

日中から暖房をつけて寒い寒いと言って過ごしている今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。"HOT" と書いてある蛇口から冷たい水が出てくるのはなぜでしょうか。僕はここにいていいんでしょうか。

さて、先日の速報の通り東方紅魔郷 Normal をクリアいたしました。6 日に霊夢(霊)、7 日に霊夢(夢)、10 日に魔理沙(恋)、11 日に魔理沙(魔)という順。キーボード入力周りの処理が変わったのでしょうか、妖々夢ではそうでもないのですが、紅魔郷の魔理沙は僕にとって非常に使いづらいです。でもマスタースパ(以下略)

とりあえず普通のエンディングは一通り見たはずなので、一段落です。次は相も変わらず continue & practice を封印しつつ Hard と Extra をまったり進めていくことになりましょう。まあ、でも結局 1 億越えが 1 度も無かったので、それも課題ですね。

基本的に僕の場合、ゲームを継続的にプレイする状況が続くのは非常に稀なことです。今回の東方シリーズへの没入(と言うほどでもないかな?)は、ポケモン以来の大きな波ということになります。その原因というか、僕がゲームを面白くてプレイする価値があると判断する基準とは何なのか、ということは一度ちゃんと書く必要があるような気がします……。今は無理ですけど。

さてさて、当方も西方で東方ばかりしてるわけじゃないですよ。今日は oven で pizza を焼きました。日本では家に oven なんて無かったのでこれまで怖くて触ってなかったのですが、今日になって初めて、やっとのことで説明書を解読したのであります。分かってみれば操作もそれほど難しくなく、仕上がりも非常に良好でした。ベースは TESCO で買ってきたものを使いましたので、ソースを塗ってトッピングするだけというお手軽さ。生地から自分で作ると大変ですけど、こっちだとベースが安く売ってるので助かります。今回使ったのは小さめのものですが、2 枚入りで 75p でした。

09/10

仲直りが早くて悪いとは言わぬが、害悪ではあるやもしれぬ。

teratti の英国奮闘記 16

たった今ふと思いついてショックを受けたのですが、ひょっとして英語には愛と恋の区別が無いんじゃないでしょうか。

まあ、基本的に広義の愛が恋を内包すると僕は考えているので、それほど不思議ではないといえば無いのですけど、でも何と言うか、非常にもどかしい。別扱いしないでいるには惜しい感情のような。もったいない、という形容はこの場合不適当なんでしょうかね。

むきー。

いや、結局何を言いたいのかというと。

マスタースppppp。

09/06

ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる

teratti の英国奮闘記 15 - 速報

東方紅魔郷 Normal 霊夢(霊) No continue クリア!

欲張らなかったので 1 億届きませんでしたがクリアはクリア。

スカーレットシュートも取れたしクリアクリアクリア。

クリア。

09/04

ミ○ンせいじん計画。

teratti の英国奮闘記 14

まさかとは思いますが万が一の場合(なんだそれは)に備えて念には念を入れて何かの間違いがあっては困るので前回の補足をするならば、僕は決してメイド教信者ではありません。海の向こうでは近々 WZ 5.0 が発売されるそうで、羨ましい限りであります。

さて、昨日まではお客様がいらっしゃったので、インターネットでの格安航空券手配を初体験したり、Waterstones という大きな本屋に行ったり、Edinburgh にある政府刊行物センター(TSO?)に行ったり、骨董屋に入ったり、Royal Museum をちょっと覗いたりしておりました。大英博物館とは比べ物にならないらしいとはいえ、Royal Museum もいいところです。始祖鳥の化石が中国から来ていたようですが、それは有料だったのでパス。Colour Oxford English Dictionary 買いました。

で、ESOL の授業にさらに 2 日出たわけですが。参加者のレベル高すぎです。というかばりばりにしゃべりまくってるあなたたちはここに来る必要ないですよ、と非常に言いたい。でも言えない罠。というかあれだけ人がいるのに男性が僕以外にいないのはなぜでしょうか非常に遺憾でありますぷんすか。

東方紅魔郷途中経過報告。とりあえず Normal を no continue クリアしたいのだが、とある方に影響を受けて continue と pracitce を全面的に封印しているため、なかなか進みませぬ。運が良ければお嬢様と残機 2 程度で御対面できるものの、レッドマジックまで粘るのがやっと。基本的にメインは霊夢(霊)。息抜きに東方妖々夢体験版を触っていると Hard no continue がちょうどいい程度なので、以前に比べて上達しているのが確かなのは救いか。

綿毛の正体ついに判明? ――続報を待て。

09/01

冬がそして。

teratti の英国奮闘記 13

あーもう 9 月だそろそろきあいいれないとおー、というわけで、どっかの何とかとかいう団体が free で提供してくださっている ESOL の授業を受けに行ってきました……のですが、いろいろとトラブルがありまして、遠く離れた地で何も分からず部屋に案内されたのです。よくよく聴いてみると、ケンブリッジ英検受験を前提にした 1 年間のクラスの模様。……サインしちゃったけど、別の授業を探そう。

ところで、au pair って知ってます? 外国語習得のために住み込みで家庭のお手伝いをする人――要するにメイドさん(ちーがーうー)――のことで、フランス語由来の言葉です。そのクラスでペアになったデンマークの女の子/女性と自己紹介をし合ったとき、彼女が opera のために英国へ来ていると何度も聞こえたのですが、どうも話が変なのでしつこく聴いてみると、opera じゃなくて au pair だったという……。この言葉自体は一応見たことがあったのですが、日本ではほとんど全く馴染みが無い制度なので、まさかそんなことを言っているとは夢にも思っていませんでした。難しいですねえ。

そうそう、メイドさんといえば(←いってないよー)、昨日 City Sightseeing のバスの 2 階に乗っていたとき、いかにもメイドさんっぽい人が窓を開け閉めしているのを目撃したとの情報が。そのメイド(仮)さんは、上下ともに白の制服で、ベルトは黒だったそうです。うーん残念。この目で見たかったですねえ。